地蔵堂猪供養碑 山形市大字山寺地内の地蔵堂境内に立つこの碑には、次の文字が刻まれています。 猪畜追薦 施主 山寺惣中 南無天月地蔵大菩薩 如是畜生発菩提心 宝歴五年二月二日 宝暦五年は、東北地方一帯が大飢饉にみまわれた年です。人も獣も餓えに苦しみ、山寺では猪をはじめとする野獣が田畑を荒らし、収穫の激減した農作物に、さらに大きな被害を与えていたようです。立石寺のある山寺一帯は「殺生禁断の地」とされていましたが、住民たちはやむなく、立石寺の許可を得て猪狩りを行い、あわせて猪の追善供養を行いました。その時に建てられたのがこの「猪の供養碑」です。 あまり例のない、非常に珍しいものであり、当時の人々の心情を今に伝える貴重な民俗文化財です。 平成六年三月 山形市教育委員会 |