一本杉 名木沢 尾花沢市 山形県
今からおよそ1500年前、第15代応神天皇第二王子、大山守の命が王位継承に関し謀反を起こし追われる身となり、北へ向かって逃れてきたが、新庄の関屋で追討使に捕われ処刑されることになった。大山守の命は覚悟なされ「我が身を七刀に切って都に似た土地に葬ってくれ」と遺言を残した。ところが、追討使が誤って王子の身を八つに切ってしまった。七つの身はそれぞれ新庄近在に七所明神として七ケ所に祀られているが、残りの一片を最上川をさかのぼり国越えをしてここ、六角檀に投げ捨てられたとされている。そして、一本の杉を植えて追討使は立ち去ったと伝えられている。 つまり、この一本杉が名木沢七所神社の元宮である。そんなところから当地を投げ沢と呼んでいたと云う。一本杉はその名の如く幹は途中から七本の技が栄え大きくそびえ立ち戒厳を誇っている。また、この杉は神代杉とも云われ、神の木として崇められ枝一本でも切れば罰があたると言い伝えられている。  平成10年4月吉日  福原ふるさと歴史保存会