三囲神社 墨田区向島
雨乞いの碑
元禄6年(1693)は大変な干ばつで、困りきった小梅村の農民が三囲社頭に集まり、鉦や太鼓を打ち鳴らしていた。ちょうど俳人其角が門人の白雲をつれて吉原へ遊びに行く途中、三囲に詣でたところ、雨乞いをしているありさまをみて、能因法師などの雨乞いの故事にならい、
「遊(ゆ)うた地や田を見めぐりの神ならば」と詠んだのがこの句である。其角は、寛文元年(1661)、江戸に生まれ、姓を榎本、後に宝井と称し、江戸時代中期の俳人で芭蕉門下第一の高弟として重んぜられ、宝晋斎と号し、特に洒落風の句を得意とした。自選句集の五元集に「牛嶋三囲の神前に雨乞いをするものにかわりて夕立や田を見めぐりの神ならば、とうたえば翌日雨降る」と記されているように早速効果があったと伝えられている。この碑は明治6年再建されたものである。昭和45年11月3日 建設  墨田区