ここ台町あたりは、かって神奈川の台と呼ばれ、神奈川湊を見おろす景勝の地であった。
弥次さん、喜多さんが活躍する「東海道中膝栗毛」にも、「爰は片側に茶店軒をならべ、いづれも座敷二階造、欄干つきの廊下桟などわたして、浪うちぎはの景色いたってよし」とある。「おやすみなさいやァせ」茶屋女の声に引かれ、二人はぶらりと立ち寄り、鯵をさかなに一杯ひっかけている。上図の「桜屋」が現在の料亭田中家のあたりだといわれている。
神奈川の台と茶屋 右手に「文久三年田中家」 台町 神奈川宿