隠居所は、真向かいの本屋(和中散本舗)が本陣として使用されている間、家族の住居に当てられた建物で、江戸時代中期に主屋に引き続いで建てられたと考えられる。 その後、所蔵文書より十数回にわたり小修理が行われたことが明らかで、昭和46年には半解体修理が行われ、玄関屋根や台所部分等が復原整備された。 建物は床と付書院を備えた六畳の座敷の南に四畳間を並べ、その奥に仏間と奥の間の四室を配した東西棟に、式台付玄関、台所、土間を配した南北棟がT字形に接続している。 この建物は、屋根が二重で、入母屋破風が多く、本瓦葺のため、重厚な外観を呈しており、玄関及び座敷廻りには彫刻欄間を入れる等、江戸時代の豪華な住宅建築の好例であり、貴重である。平成7年3月 滋賀県教育委員会
大角家住宅隠居所 六地蔵 栗東市 滋賀県