ここ垂水の頓宮建立跡地は、平安時代の初期から鎌倉時代の中期頃まで、約380年間、31人の斎王が伊勢参行の途上に宿泊された頓宮が建立された所である。 斎王とは、天皇が即位される度毎に、天皇のご名代として、皇祖である天照大神の御心霊の御杖代(みつえしろ)をつとめられる皇女・女王の方で、平安時代に新しく伊勢参道がつくられると、この道を斎王群行の形でご通行されることとなった。 京都から伊勢の斎宮まで、当時は五泊六日もかかり、その間、近江の国では勢多・甲賀・垂水の三ケ所、伊勢の国では鈴鹿・一志のニケ所で、それぞれ一泊されて斎宮まで行かれたのである。その宿泊された仮の宮を頓宮といい、現在明確に検証されている頓宮跡地は、五ケ所のうち、ただこの垂水頓宮だけである。平成5年3月  滋賀県教育委員会
垂水斎王頓宮址 土山町頓宮 甲賀市 滋賀県