文豪森鴎外の祖父白仙は、文久元年(1861)11月7日、この井筒屋で没した。鴎外が明治33年に記した「小倉日記」で明らかなように、森家は代々津和野藩亀井家の典医として仕えた家柄である。白仙は長崎と江戸で漢学・蘭医学を修めた篤学家であった。参勤交代に従って江戸の藩邸より旅を続けるうち、この井筒屋で病のため息をひきとったのである。のちに白仙の妻清子、一女峰子の遺灰も、白仙の眠る常明寺に葬られた。平成4年3月 土山町教育委員会
森白仙終焉の地(井筒屋跡) 土山町南土山 甲賀市 滋賀県