木曽どのを したい山吹 ちりにける

大正10年8月大津駅がここに建設されるまでこの地一帯は秋岸寺という古いお寺でありました。その昔木曽義仲が粟津が原で鎌倉軍勢と戦って敗れ今井兼平等多数の部下と共に戦死した時、愛妾山吹御前は、京洛から義仲を慕ってはるばる逢坂山を越えてここまで来ましたが、逢うことができず秋岸寺境内の竹薮の中で敵刃に倒れたのであります。後世有志が薄幸の山吹を弔うために境内に地蔵尊を刻んでお祀りしていましたが駅の新設と同時に寺は移転し地蔵尊は鉄道宿舎の主婦達の手によって祀られてきたのであります。昭和50年駅舎改築を機にりっぱな祠を建ててここに祀ることになり、誰いうとなく山吹地蔵と呼ばれております。  大津駅長 大津市観光物産課
山吹地蔵 大津駅横 大津市