曲尺手は、直角に曲げられた道のことで、軍事的な役割を持つほか、大名行列同士が、道中かち合わないようにする役割も持っていました。江戸時代、格式の違う大名がすれ違うときは、格式の低い大名が駕籠から降りてあいさつするしきたりでした。しかし、主君を駕籠から降ろすことは、行列を指揮する共頭(ともがしら)にとっては一番の失態です。そこで、斥候を行列が見えない曲尺手の先に出して、行列がかち合いそうなら休憩を装い、最寄のお寺に緊急避難をしました。
旧白須賀宿・曲尺手(かねんて) 白須賀 湖西市 静岡県