新居宿旅龍紀伊国屋は紀州の出身で、江戸時代のはじめに新居へ来て、茶屋を営んだという。はじめは小野田姓を名乗り、後に疋田弥左衛門に改めた。旅籠屋としての創業時期は不明だが、元禄16年に御三家のひとつ紀州藩の御用宿を勤めるようになり、正徳6年に「紀伊国屋」を名乗ることを許されたという。 その後、享保17年に帯刀御免、延享2年に五人扶持を賜り、江戸時代後期には敷地内に紀州藩の七里飛脚の役所があった。 紀伊国屋は、明治7年の泉町大火で焼失し建て替えられ、昭和24年まで旅館業を営んでいた。 建物はその後増築したが、一部に江戸時代後期の旅龍屋の様式を残していたことから、街道文化を伝える施設として活用するため、東海道四〇〇年祭にあわせ、再生整備工事を実施した。 新居町教育委員会
旅籠紀伊国屋 新居 新居町 浜名郡 静岡県