この建物は、東海道を往来する旅人を取り調べる関所役人が控えていた建物で、面番所といいます。嘉永7年 (1854)年の地震により倒壊したため、翌、安政2年(1855)年に建て替えられました。構造は、入母屋造り、本瓦葺きで東西に11間・奥行き7間、これに三方三尺のまわり縁側がつき、内部は向かって右の部屋を上の間(十畳) ・中の部屋を上番所(二十畳) ・左の部屋を下番所(二十五畳)という部屋割です。 明治2年の関所廃止令後、明治6年から大正5年まで小学校として、その後、昭和26年まで新居町役場庁舎として使用されました。 全国で唯一現存する関所建物として昭和30年に国の特別史跡に指定されました。
新居関所創設(1600)より元禄15年(1702)までは幕府直轄として関所奉行が任務にあたっていましたが、元禄15年以降、関所の管理は三河国吉田藩へ移管されました。吉田藩管理下としての関所役人は、番頭・給人・下改・賄役・番所足軽・往還女改之女など計40人前後が交代制で任務にあたっていました。旅人の関所通行は、明六つ(6時頃)から暮六つ(18時頃)までで、原則として夜間は通行できませんでした。
面番所 新居関所 新居町 浜名郡 静岡県