宿場では、幕府などの貨客を宿場から次ぎの宿場へ継ぎ立てることになっており、そのための人馬の設置が義務づけられていました。宿駅でこの業務を取扱う職務を問屋、その役所を問屋場と言います。問屋は宿内で最も大切な役職でした。日坂宿の問屋場はかつてこの場所にあり、「東海道宿村大概帳」によると、日坂宿の宿役人は問屋一人・年寄四人・請払二人・帳附五人・馬指三人・人足割三人・同下役六人です。問屋場へは問屋・年寄をはじめ宿役の者が毎日交代で一人ずつ詰め、重要な通行があった時には全員で業務に携わったとのことです。 当時の建物、その他の遺物は現存しません。
 問屋場跡 日坂 掛川市 静岡県