天保12年(1841)に江戸幕府が編集した東海道宿村大概帳によると、由比宿の町並みは東西5町半(約600m)とあります。その宿場の西の木戸(通行人の出入口)が、この先の桝形(曲がり角)の所あたりだったと思われます。 旧東海道は、その桝形を左折して坂道を下って由比川の河原へ出ると、仮の板橋が架けられていて、それを渡りました。雨が降って水量が増すと、この仮板橋は取りはずされました。このように由比川は徒歩で渡りましたので、歩行渡りといっています。 歌川広重の版画の行書版東海道の「由井」には、この情景がよく活写されています。また狂歌入り東海道には、結城亭雛機という人が、 ふみ込ば 草臥(くたびれ)足も 直るかや 三里たけなる 由井川の水  という狂歌をのこしています。  平成8年3月 由比町教育委員会
西木戸由比川・由比川橋 由比 由比町 庵原郡 静岡県