伊豆・駿河の国境、境川にかけられてある樋で、長さ42.7m、巾1.9m、深さ45cm、高さ4.2mである。 創設については諸説があるが、天文24年(1555)今川、武田、北條三家の和睦が成立した時、北條氏康から今川氏真に聟引出物として、小浜池から長堤を築き、その水を駿河に疎通させたというのが一般に認められている。 この疎水により清水町の新宿、玉川、伏見、八幡、長沢、柿田の耕地約130ha(旧高200石)が多大の恩恵を受けるに至った。 樋は、はじめ木樋であったが大正12年関東大震災の際、崩落したので現在の鉄筋コンクリートに改めた。 千貫樋の樋名については
一、架設が巧なため銭千貫に価する。
二、この用水が高千貫の田地を潤している。
三、建設費が銭千貫を費した。
等が、命名の由来と伝えられている。     清水町教育委員会
千貫樋 加屋町/新宿 三島市/清水町・駿東郡 静岡県