法然院 左京区 京都市
善気山萬無教寺と号する浄土宗系の単立寺院である。 鎌倉時代の初め、法然上人が弟子の往蓮、安楽とともに、阿弥陀仏を昼夜に六回拝む六時礼讃を勤めた草庵で、寛永年間(1624〜1644)ほとんど廃絶していたが、延宝8年(1680)に知恩院の第三十八世萬無心阿上人と弟子の忍澂和尚が念仏道場とし再興した。 本堂には恵心僧都作の阿弥陀如来坐像と決然上人自作木像を安置し、直壇には毎朝二十五の生花が散華される。 方丈は、桃山御殿の遺構を移建したものといわれ、襖絵十四面の「桐に竹図」「若松図」「槙に海棠図」及び屏風の雪松図はいずれも重要文化財に指定されている。 参道に散る椿が名景として知られており、境内には谷崎潤一郎、九鬼周造、河上肇ら多くの文化人の墓がある。   京都市