奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんねおう)
中国由来の経典「十王経」には、死後の世界の話が記されています。それによりますと、人が亡くなって三途の川までやってくると、そこに「奪衣婆」が待ち構えていて、身ぐるみはがしてしまうのだそうです。その衣類を「懸衣翁」が受け取って、かたわらの柳(衣領樹)の枝に懸け、その枝の垂れ具合で、生前の悪業の軽重を推量します。この後、閻魔様などの前に出て、地獄か極楽か、どこに行くのか言い渡されるということです。日本では江戸時代末に民間で、信仰されました。
三途の川 恐山菩提寺 大畑町 むつ市 青森県