籠池古墳は、南西に延びた山麓の斜面に単独に築かれた古墳である。 墳丘は良く残っており、推定の直径20m、現況の高さ2.5mの円墳である。 埋葬主体部は入口が東南東に開いた横穴式石室で、全長は9.0mあり、渥美半島では指折りの規模である。 横穴式石室の構造は、近畿地方の影響がみられ、奥壁直前の床には組合式石棺が設けられている。 出土した須恵器や石室の構造から6世紀後半〜7世紀前半に築造されたと考えられる。 これらの特徴からこの古墳に葬られた人物が三河湾・伊勢湾を越えた広い地域との交流をもっていたことが推定され、古墳時代後期の渥美半島における有力豪族層の役割を考えるうえで重要な古墳である。 平成16年3月 田原市教育委員会
籠池古墳 籠池 大久保町 田原市 愛知県