正安3年(1301)、時宗2代遊行上人他阿真教が諸国巡錫の砌、敦賀に滞在中、氣比社の西門前の参道、その周辺が沼地(この時代には氣比神宮あたりまで入江であった)となって参拝者が難儀しているのを知り、浜から砂を運んで道を造ろうと上人自らが先頭に立ち、神官、僧侶、多くの信者とともに改修にあたられたという故事に因み、「遊行上人のお砂持ち神事」として今日まで時宗の遊行寺(藤沢市の清浄光寺)管長が交代した時にこの行事が行われている。元禄2年(1689)、奥の細道紀行で敦賀を訪れた芭蕉は、「月清し遊行のもてる砂の上」と詠んでいる。

お砂持ちモニュメント 元町 敦賀市 福井県