鎌倉時代、弘安2年(1279)に歌人阿仏尼が、京都から鎌倉へ向かう途中、小野宿に宿泊したとある。(『十六夜日記』) 中世、小野の地は、東山道のうまや駅家として機能していた。また、藤原定家の『明月記』などに記される庄園『小野庄』は、当地域が想定されている。  地元に伝わる郷土芸能「小野町太鼓踊り」の中には、小野小町が謡われており、この地を誕生地とする伝承が残っている。
  「出羽郡小野美実(好美)は、奥州に下る途中に、小野に一夜の宿を求め、ここで生後間もない可愛い女児に出会った。美実は、この女児を養女にもらい受け、出羽の国へ連れていった。この女児が小町という(中略)  小町塚には、「小町地蔵」として親しまれてきた石仏(15世紀後半頃に造仏)がある。自然石を利用して、阿弥陀如来坐像が浮彫りにされている。 (全高1.25m)正面だけでなく両側にも彫り込まれており、類例が少なく貴重なものである。  平成18年6月  小野町
小野小町塚 小野町 彦根市