豊臣秀吉公茶亭門 元浜町 長浜市 滋賀県
右の門は、江戸時代から代々続いた鐘鋳造工匠、西川家(鍋徳)の茶亭門として使用されていました。西川家は藤原氏を称し、正徳元年(1711年)の創業より代々、釣鐘鋳造に寄与し、近代にいたるまで数々の名鐘を残してきました。また、西川家は古くより茶の道に通じ、特に西川徳左衛門は小堀遠州の蒐集家でもありました。その西川家の茶亭門について、明治36年当時の県社八幡神社(現在の長浜八幡宮)の社司、笠原泉氏(京都の賀茂御祖神社の社家、滋岡俊基の二男で数学、漢文、国文学、南宋画、書に優れた人。)により、豊臣秀吉公茶亭門と鑑定されました。由緒あるこの門は、奥庭にある茶室「湖舟庵」の茶亭門として西川氏のご好意によりこの場所に移築されたものです。若き秀吉が出世城といわれる長浜城内でこの門をくぐり茶会を催したであろうことが偲ばれます。