金堂町並み 五個荘 東近江市 滋賀
五個荘町は湖東平野のほぼ中央に位置し、北に和田山、西に繖(きぬがさ)山、南に箕作山が囲み、残る東は愛知川が流れています。平野部には古代の条里制を遺す水田が広がる田園地帯で、金堂はこの真中にあります。 江戸時代、金堂ははじめ幕府領でしたが貞享2年(1685)以降明治4年(1871)までは大和郡山藩領で、元禄6年(1693)には、金堂に陣屋が置かれました。金堂の町割りは、条里制地割を基礎に集落中心に陣屋、その三方に弘誓寺・勝徳寺・安福寺が配され、周辺に農家が集まり集落東側に大神社が鎮座し、更にその外側には条里制水田の景観が広がる集落構成が出来上がりました。 五個荘町は近江商人発祥の地で、金堂からも多くの商人が輩出しました。明治13年(1880)には、全戸数の3分の1にあたる67軒が呉服・太物など繊維製品を扱う商業に従事し、うち13軒は県外に出店を有していました。 商人の本宅は、広大な敷地を板塀で囲み、内部に切妻や入母屋造りの主屋を中心に数奇屋風の離れや土蔵・納屋を建て、池や築山を配した大きい日本庭園が特徴です。農家住宅は、切妻もしくは寄棟造平屋の草葺屋根の主屋と納屋を持つ伝統的な形式です。 以上、金堂の町並みは湖東平野っを代表する農村集落で、加えて近江商人が築いた意匠の優れた伝統的な建造物群として、歴史的景観を保存しています。 平成10年12月25日に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。   平成12年3月  五個荘町教育委員会