御茶屋・勘場跡 小郡下郷 山口市 山口県

御茶屋跡
 御茶屋は、藩の公的な宿泊施設であって、もともと藩主の参勤道中や国内巡行の便宜のため、藩内各地に設けられたものであった。しかし、山陽道筋の五ヵ所の御茶屋(当所を含む)は、幕府役人や九州諸大名の参勤交代の通行時に利用される、藩外交上の大切な施設でもあった。幕末期の記録によると、建坪は138坪(約456u)であった。表方は土塀で囲まれ、門は二重に設けられていた。建物の真ん中には中庭があり、それを二三の部屋が取り囲んでいた。建物の右方にある御座の間(殿様の宿泊場所)の屋根は茅葺きであり、表門の近くに駕籠蔵があった。
勘場跡
 勘場は、萩から出張して来る代官の勤務する役所で御茶屋に隣接し、建坪が105坪(約350u)で、付設の物品蔵などの建物が3軒あった。勘場には大庄屋が毎日出勤し、算用師などの勘場地下役人を指図して、行政を取り仕切っていた。 平成13年3月31日   山口市教育委員会