恵比須社 陶 山口市 山口県

上市と下市に古くからえびす堂又はえびす様として祀られたものがある。祭神は少彦名命で漁業の神、商売繁盛の神といわれている。昔は市えびすといって、市の立つ所にはえびす様を祀る風習があった。上市にある社は社殿の形式をとったもので附近に鳥居の残欠灯籠手洗鉢があり、鳥居の柱には文化元年(1804)の年号が見える。 下市にあるのは外観は仏堂に見え、中に神殿風の祠が納めてあり、前に灯籠が立ててあったが現在陶公民館の位置から橋本橋の西に移転している。上市と下市の二か所に祀られたのは、昭和10年代まで毎年交互に12月26日になると市が立ったからである。今でも12月には神職を招いてお祀りが行なわれている。