旧目加田家住宅 横山2丁目 岩国市 山口県

国指定重要文化財 旧目加田(めかた)家住宅
目加田家は近江国愛知郡の出で、天正年間に吉川元春に召し抱えられ、吉川広家が慶長5年(1600)関ケ原の役後、出雲国富田から岩国に移封された時に広家に従ってこの地に移り住んだ。江戸時代中期の屋敷割図によると、既に現在地に住居を構えており、文政の頃には御用人役を勤めて知行170石取であったことが御家中系図に記録されている。この住宅は18世紀後半の建築と推定され、中級武家の住宅としては全国でも数少ない遺構の一つとして昭和49年2月5日重要文化財に指定された。建物は妻切造り桟瓦葺きで、土間側面を除いて三方に庇を巡らし南西に面して建つ。(中略)総体的に木割が細く松を主材とし、簡素ではあるが隅々まで端正な構えを見せている。なお筋葺きに用いられている特殊な形の桟瓦*はこの城下町西岩国地区に集中して見られる地方色として注目される。(以下略)
昭和53年12月  岩国市教育委員会
*特徴ある両袖瓦と平瓦を使用した
二平葺き (にひらぶき) は岩国の瓦師が考案したと言われ、岩国城下町に見られた地方色です。