矢掛宿本陣(石井家住宅) 矢掛 矢掛町 小田郡 岡山県
石井家は江戸時代初期(1620年頃)、この地に居を構え、中期以後は代々大庄屋を務めるかたわら、本陣を兼ねた旧家で、元禄頃からは酒造業を営んで繁栄したという。屋敷地は旧山陽道に面し、間口がおよそ20間(36m)、約千坪(3164u)ある。街道に沿って東から主屋、座敷、御成門を配し、これらの背後には米倉、酒倉、絞り場、麹室の酒造関係施設と内倉、西倉、中門、隠居所、番所等が建ち並び、南の敷地境には裏門座敷長屋がある。これらの建物は、一部安永・天保頃のものもあるが、幕末から明治時代にかけて現在の姿に整ったものと考えられる。(中略) 旧矢掛本陣は、規模が大きく、建築の質も優れ、付属屋に至るまでよく保存々されていて、主要街道の本陣として類例もきわめて少なく、その構えと風格をしのぶ遺例として価値が高いことから、昭和44年6月20日付けで各建物が重要文化射に指定された。また、昭和58年6月2日には現在の屋敷構え全休を保存する上からも、宅地、家相図、隠居所等を含め、追加指定された。 矢掛町教育委員会