交叉層とは、普通「偽層」(クロスラミナ)と呼ばれ、地層が斜めに交又する小規模な地層のことで、流動している水中、または空気中で砂や砂礫などが堆積する時に生ずるものといわれています。ここ浪打峠の交叉層は、海水の中で堆積したもので、砂や軽石の粒や火山岩の粒が主な堆積物で、それにホタテ貝などの破砕片を多く含み、美しい縞模様をつくりながら積もり、明瞭な交叉の様子を見せています。 この交叉層は、その外観が美しく、規模も大きいことから、国の天然記念物として、指定されました。この地層は「末の松山層」といわれ、海底火山の噴出が盛んであった時代に、海水の中で、堆積した「末の松山層」の、上位の部分の地層で、いまから千五百万年前に堆積したものと考えられています。 波打峠は別名「末の松山」ともいい、昔一戸から福岡(二戸市)へぬける「奥州街道」となっていた場所です。平成14年3月29日 一戸町教育委員会

浪打峠の交叉層 一戸大越田 一戸町 二戸郡 岩手県