「高屋敷」は北に流れる平糠川を見下ろす高台にある集落です。 奥州街道沿いに位置し、馬を利用した運搬の中継施設である馬継所が置かれていました。集落の中央から山手に登る道を行くと、「笹目子・上女鹿沢一里塚」、「穴久保・下女鹿沢一里塚」を結ぶ尾根沿いの道に出、さらに御山(天台寺)へ向かう通称「巡見道」へ繋がります。「高屋敷」の馬継所は記録によると、ほとんどが現八幡平市の中佐井との馬継ぎであり(『一戸町誌』)、奥州街道だけではなく巡見道においても交通の要所であったと考えられます。漆戸茂樹著『北奥路程記』には「此村梨を産す」と記述され、以前は梨の産地であったようです。現在、梨の木は残っていませんが、集落南の入り口を流れる沢が「山梨沢」と呼ばれるのは、その名残をとどめているからなのでしょう。平成18年からは、地域の方々の手により街道沿いの井戸が復元されるなど景観づくりの活動が行われています。平成20年3月25日  一戸町教育委員会

 高屋敷集落 小鳥谷高屋敷 一戸町 二戸郡 岩手県