小繋は、奥州街道と御山(天台寺)へ向かう通称「巡見道」との分岐点に位置しています。交通の要所となることから盛岡以北最初の御番所が置かれています。『岩手県史』によると、御番所には藩境に設置された境番所と領内に設置された中間番所があり、小繋には中間番所が置かれ、領内における物資の流通と交通を監視する役割を果たしていたとされています。 盛岡藩の財政状況を記した古沢康伯著『邦内貢賦記』には、「入女は小繋・湯瀬(秋田県鹿角市)・鬼柳(北上市)にて御改」とあり、材木・馬・漆・蝋などの物資のほか、盛岡へ向かう主な街道筋の番所では女性の移動についても取り調べが行われていました。 現在、御番所の建物は残っていませんが、漆戸茂樹著『北奥路程記』には「小繋入りロ、小橋渡り、左に御番所あり」と記され、また他の文献資料や言い伝えから、集落入口にある橋を渡ったこの場所に「小繋御番所」が建てられていたことが分かっています。平成20年3月25日  一戸町教育委員会

  小繋番所跡 小繋小繋 一戸町 二戸郡 岩手県