俗に御堂観音と称せられて居る此処「天台宗北上山新通法寺正覚院」は大同2年6月坂上田村麻呂将軍が祈願所として建立されたといわれ、その一族である僧了慶が開基と伝えられている。天喜5年6月、安倍頼時征伐の為、源頼義、義家父子が馬を進めた折、打続く炎暑に苦しみ賊徒平定もはかどらず本国を伏拝み救世祈念、義家が弓弭をもって岩をうがち泉を得たと言われ今尚清水が湧き出て北上川の源泉をなしている。 伝えられている処によると、その際寄進したという陣中釜は今も御堂にあり、本堂の千手観音像は南部氏(盛岡市)此地を領した際守り本堂として当院に保存管理、今日に及んでいる。 また御堂脇にある大杉は千二百余年の風雪を生き技いた県下有数の老木として賞せられている。 平成5年3月  岩手町教育委員会

  北上山御堂観音堂 御堂 岩手町 岩手郡 岩手県