この門は南部利直公が慶長19年(1614)二子城(現北上市二子町)の追手門を引上げて花巻城の搦手円城寺坂に建てたもので、前後経歴4百有余歳旧花巻城唯一の現存建物である。城門の形式は木造二階建櫓門である。1階は梁間9尺5寸、桁行20尺、2階は梁間13尺、桁行20尺で、2階は1階より梁間が大きくはみだしてある。 屋根は木羽葺反りのない切妻造りで、箱棟の両端には刀法雄勁な鬼板をのせ(現在は取りはずして保存してある。)妻に梅鉢形の形魚をつけてある。この鬼板懸板を除いては、装飾的手法もなく単に城門たる形式を単純に組立てたように見えるが、そこに地方情緒を生かした素朴な建築美を発揮している。 花巻文化財指定

円城寺門  城内7 花巻市 岩手県