無量光院は三代藤原秀衡が建立しました。モデルは宇治の平等院鳳凰堂。鳳凰堂は、「極楽を疑うならば宇治のお寺をお参りしなさい」と子供にまで唄われました。無量光院もまた仮想の極楽浄土です。両寺院とも本尊は阿弥陀如来像。西方に極楽浄土はあり、その主は阿弥陀如来なのです。春秋彼岸の頃、無量光院の正面に立つと、西方にある金鶏山の頂上に日が沈みます。入日の中に阿弥陀如来が浮かび上がる様子は、まさしく秀衡が思い描いたこの世の極楽浄土だったのです。

無量光院跡 平泉花立 平泉町 西磐井郡 岩手県