江戸時代、伊達藩との藩境に置かれていた南部藩南端の奥州街道関所。鬼柳御番所ともいわれ、江戸方面への関門として、藩内のいくつかの境番所のうちで最も重きをなした。慶長9年(1604)に奥州街道が造られてまもない寛永8年(1631)、その街道筋の本所に、通行人などを取締る関所・藩主・公儀などの宿泊及び休憩施設である御仮屋、馬を乗り継ぐ伝馬所などが置かれ、小規模ながら南部藩最南端の宿駅が造られた。(中略)
左の写真は安政3年(1856)に建てられた関所の建物で、大きさは桁行6.5間、梁行き5.5間、街道に面した屋根は機能的に切り込まれ、その壁の各所に透かし窓が作られている。この建物は高橋善雄氏の住宅であったが、昭和28年6月、国道4号改修工事のため取り壊された。

鬼柳関所跡 町分 鬼柳町 北上市 岩手県