太田家は、当主が初代から四代目まで幸蔵を襲名、五代目は幸五郎と続くことから、「太幸邸」と呼ばれ、地域に親しまれています。 岩手県指定を受けた建造物は、主屋のほか、庭園・土蔵・表門・前座敷・炊場・旧盛岡銀行前沢支店の7棟及び西側の塀で、建築当時の屋敷構成がよく残されています。 明治期に建てられた近代和風建築の民家として、岩手県指定有形文化財第一号の指定を受けました。 主屋の外観及び内部は上質・簡素な和風建築ですが小屋組・洋間・階段などの一部が洋風となっています。 主屋・表門・前座敷・炊場は、日露戦争後の不況、大凶作という時代を背景に、材料・職人のほとんどを地元で賄う救済事業の一つとして、明治43年に五代当主太田幸五郎により建築されました。また、土蔵は明治25年、旧銀行は大正8年の建築で庭園も同時期と伝えられています。

前沢町指定天然記念物(昭和54四年8月1日指定)   梅
 太幸邸の庭園に、樹齢450年と推定される岩手県屈指の紅梅の大木があります。この梅は、大正4年3月に町内白鳥館から人夫約300人を要して移植されたと伝えられています。 平成10年6月1日  前沢町教育委員会

   太田家住宅(太幸邸) 七日町 前沢区 奥州市 岩手県