有壁の御本陣は奥州道中有壁宿に設けられ、松前、八戸、盛岡一関の藩主が参勤交代の際と幕府並びに各藩主重臣が通行の際に宿泊や休息したところである。現存建造物は、延享元年(1744)の改築にかかり、道路に面して2階建長屋があり、その脇に御成門がたっている。本屋は100坪程の平屋で、私宅の部分と本陣として藩公らが使用した諸室が含まれる。御成門を入ると屋根入母屋造りの車寄があり、式台のついた玄関構である。奥に持者の間、中座敷、御次の間が続き、左に折れて上段の間(八畳敷)があり、この部屋の床は他の部屋より8寸高い書院造りである。明治9年7月3日、同14年8月16日両度明治天皇が奥羽御巡幸の際に御小休所となった。主要街道の貴重な遺構として昭和46年5月国の史跡に指定される。 昭和51年10月 当主 佐藤鉄太郎 誌す。
 旧有壁宿本陣 本町 金成有壁 栗原市 宮城県