遊行柳 芦野 那須町 栃木
謡曲「遊行柳」と朽木柳
謡曲「遊行柳」は、その昔諸国巡歴の遊行上人が、奥州白河の関の辺りで老翁に呼びとめられ、「道のべに清水流るる柳かげ」と西行法師が詠じた名木の柳の木の前に案内され、そのあまりに古びた様子に、上人が十念を授けると老翁は消え去った。夜ふけ頃、更に念仏を唱えて回向する上人の前に烏帽子狩衣の老翁が現れて遊行上人の十念を得て非情の草木ながら極楽往生が出来たと喜び、幽玄の舞を通して念仏の利益を見せる名曲である。朽木柳については、宗祖遊行上人が芦野巡化の時、使用の杖が根づき「朽木柳」「枯木の柳」と呼ばれる巨木になったとの説がある。星移って遊行19代尊皓上人巡化の折、老翁姿の柳の精が出現して上人を案内したとのいわれからやがて「遊行柳」と呼ばれるようになったという。何代も植え継がれて来た。   謡曲史跡保存会