北芝久保庚申塔 芝久保4丁目12付近 西東京市 東京都
この庚申塔は、延宝2年(1674)に北芝久保に入植した出百姓18名によって建立されました。この庚申塔は、新田のはずれの標識でもあり、開拓のモニュメントでもありました。多摩地域全体を見わたしても、とくに初期に建立されたものにあたります。 

碑面は、中央に「為奉造立菩薩也」の文字が刻まれ、その下に三猿の浮彫りがあるだけで、青面金剛のない古い作風を伝えており、日天・月天・剣先形など神道の信仰が残されています。 
また三猿は、庚申の申(さる)から発展したもので、そのレリーフは、他の庚申塔と比較し、とくに大きく美しいものです。三猿の上方に陰刻されている雄・雌の鶏は、古くは「暁を告げ、悪魔を退散させる鳥」という民間信仰でしたが、次第に「庚申の暁は、鶏が鳴くまで語りあかす」という意味のものとなりました。

昭和42年2月 
西東京市教育委員会