五日市街道碑 高井戸東4丁目 杉並区 東京都
五日市街道
 この前の道は、五日市街道です。 五日市街道は、地下鉄新高円寺駅近くで青梅街道から南に分かれ、成田東・成田西・高井戸東・宮前・松庵を通り武蔵野市・小金井市を経てあきる野市に達する街道です。 江戸時代初期は伊奈道とよばれ、五日市周辺の木材や織物、秋川谷で焼かれた炭荷等を江戸へ運ぶ道として利用されていたようです。 その後、五日市道・青梅街道脇道・江戸道・小金井桜道・砂川道などといろいろ呼ばれ、農産物の運搬や小金井桜の花見など広く生活に結びついてきました。明治以降、五日市街道といわれるようになりました。 この街道に沿っていた区内の昔の村は、高円寺村・馬橋村・和田村・田端村飛地・成宗村・田端村・大宮前新田・中高井戸村・松庵村で、沿道の神社や寺院・石造物の数々に往時をしのぶことができます。『新編武蔵風土記稿』によると、当時の道幅は、馬橋村と成宗村は3間(約4.4m)程で挟く、大宮前新田・中高井戸村・松庵村は8間(14.4m)とあります。これは三カ村が、新田開発により開村された寛文(1661〜1672)初年の頃、道幅を拡けたものと考えられます。明治以後さらに整備舗装され、現在は全長約57km(杉並区内約8km)が都道(主要地方道杉並あきる野線)に指定されています。 武蔵野台地を西から東へ相添って走る五日市街道と玉川上水は、多くの新田開発を促し、多摩地域の発展に大きな力を与えてきました。かって道行く人々を暑さから守ってくれた欅並木も今は残り少なく、往時の姿は望めませんが、本街道はこれからも地域の道路として、重要な役目を担っていくことでしょう。  平成15年3月  杉並区教育委員会