旧吉野家住宅 新町 青梅市 東京都
吉野家の始祖は織部之助といい、忍(おし)城主成田氏に仕える武士であった。彼は天正18年(1590)7月、主家の滅亡によって隣村の下師岡村に来住し、慶長16年(1611)からこの新町村の開発に着手している。以来、子孫は新町村に居住して代々名主職を世襲し、村内で高い地位を保ってきた。この建物は、幕末の安政2年(1855)3月、下長淵村(現青梅市長淵)の棟梁新兵衛らによって建てられたものである。桁行19.09m、梁間8.18m、入母屋造り、茅葺き 建築面積248.7平方m。(中略)江戸時代末の名主階級の民家として、完成された多室間取りの姿をよく伝え、多摩地方を代表する貴重な建造物である。 平成2年3月31日  東京都教育委員会