小川寺梵鐘 小川町1丁目 小平市 東京都
小平市有形文化財 小川寺梵鐘
この梵鐘は貞享3年(1686)に鋳造され、小川寺檀家57戸により寄進されたものである。この年は、開基小川九郎兵衛安次の没後18年にあたり、医王山小川寺住職は三世碧雲碩篤和尚、小川家当主は二代目市郎兵衛義重の代であった。梵鐘の寄進された貞享の頃は青梅街道の全盛期で、江戸城の修復、明暦の大火の復興に要する石灰などの資材の運搬でにぎわった。貞享年代の小川村の荷馬数は明らかでないが、20数年後の正徳3年(1713)の記録に、荷馬158頭が飼育されて馬継場の荷役に従事していたとある。これを察すると、小川寺梵の出来た貞享の頃は、檀家の農民は馬継場の荷役稼働による収入で生活にも潤いが出来て、こぞって梵鐘の寄進に応えたものと思われる。なお、梵鐘には、寺の起因と本尊薬師如来の仏恩、寄進者57名の氏名が刻されている。昭和62年7月 小平市教育委員会