御鮨所跡 益屋町 岐阜市 岐阜県
御鮨所は、長良川の鵜飼でとれた鮎の加工品「鮎鮨」を製造した、江戸時代の尾張藩の施設です。鮎鮨は現在の鮨の原型とも言うべきもので、酢を使わずに発酵によって酸味を出していました。徳川将軍への献上品として、毎年5月から8月までの間に10回ほど、笠松・名古屋を経て東海道を江戸へと、5日間の予定で運ばれました。江戸に着くころに鮨が食べどきとなるよう作られていましたから、その輸送は厳重なもので、鮨桶には老中の証文がつけられ、道中の宿場を通過する時間まで定められていました。    平成21年10月  岐阜市