上砂一里塚 上砂(かみいさご) 八街市 千葉県
この塚は、慶長十八年(一六一三)に徳川家康が佐倉城主土井利勝に命じて造らせた御成街道の一里塚である。一里塚とは、街道沿いに一里ごとに設けられた里程標で、江戸時代には徳川幕府による街道整備政策の一環として全国の主要街道に設置された。塚上には松や榎が植えられ、寒暑や風雨を避けるための休憩場所にもなった。 船橋から東金にいたる御成街道には八カ所の一里塚があったとされるが、現存するものは、ここ上砂と千葉市干城台東、富田町の三カ所のみである。 これらの一里塚は、まっすぐに街道を結ぶための目印として築かれたと考えられており、それぞれの塚の距離は約4.7kmである。江戸時代初期に築かれ、ほぼ原形をとどめた状態で現在まで残されているこの一里塚は、江戸時代の交通文化や、徳川幕府の政策を具体的に知る上で極めて貪重な文化財である。 ※この一里塚は、土地所有者が長い間守り続けてきた貴重な文化財です。塚に登ると土が崩れてしまいますので、絶対に登らないでぐださい。 平成20年3月  八街市教育委員会  八街市文化財審議会