南谷 羽黒山 羽黒町手向 鶴岡市 山形県
南谷は俳聖松尾芭蕉が奥の細道行脚の際、門人曾良と六日間逗留し、一句吟じた場所です。今から約300年前(寛文2(1662)年)、時の羽黒山執行別当(最高責任者)天宥法印が拓きました。 当時、羽黒山頂にはいくつかの寺院があり、本社・寂光寺(今の三神合祭殿の前身)が類焼するのを防ぐためそれらの寺院を山内に下ろして移築しました。寛文2年に築かれた南谷の紫苑寺もその一つで豪華絢爛な大寺院でありました。しかし、奥の方に位置するため、なにかと不便だったので、自然に迎賓館のような機能をはたすようになり、いつしか別院と呼ばれるようになりました。芭蕉の滞在所にあてられたのも、こうした関係からです。(中略)その後、明治の神仏分離の際、全て倒壊され、今残っているのは玄陽院の一部の礎石のみです。覚諄別当が建立した松尾芭蕉の 「有難や 雪をかほらす 南谷」の句碑があり、最近では環境省認定がおり風景100選にも選ばれ、俳句愛好者も多数訪れています。 以下略