含満ヶ淵 日光
男体山から吹き出した溶岩によってできた奇勝で、古くから不動明王が現われる霊地といわれる。川の流れが不動明王の真言を唱えるように響くので、晃海(こうかい)大僧正が真言の最後の句の「カンマン」を取り「憾満ヶ淵」と名付けたという。晃海はこの地に慈雲寺や霊比閣、不動明王の大石像などを建立したもので、往時は参詣や行楽の人々で賑わった。元禄2年(1689)松尾芭蕉も、奥の細道行脚の途中立ち寄っている。「含満」とも書くので「がんまん」と濁って読まれることが多いが、命名の由来から考えると、「かんまん」と澄んで読むのが正しい。  (立て札より)