久伊豆神社は、祭神として大国主命、事代主命など5柱が祀られ、例祭は毎年9月28日である。当社の創立年代は不詳であるが、社伝によると平安末期の創建といい、鎌倉時代には武蔵7党の一つである私市(きさい)党の崇敬を受けたという。古来、武門の尊崇を集めて栄え、室町時代の応仁元年(1467)に伊豆国宇佐見の領主宇佐見三郎重之がこの地を領したとき、鎮守神として太刀を奉納するとともに社殿を再建したと伝えられる。江戸時代には、徳川将軍家代々の信仰が厚かった。 当社は、除災招福、開運出世の神として関東一円はいうまでもなく、全国に崇敬者がある。また、家出をしたり、悪所通いをする者に対して、家族の者が”足止め”といって狛犬の足を結ぶと必ず帰ってくるといわれている。境内には、県指定旧跡となっている幕末の国学者平田篤胤の仮寓跡や、篤胤の門人が奉納したといわれる県指定天然記念物の藤の老樹が枝をひろげている。  なお、当社は昭和59年度に県から「ふるさとの森」の指定を受けている。  昭和60年3月   埼玉県  越谷市
 久伊豆神社 越谷