浜通りの西側には、かって南沼・中沼・北沼という内湖があり、漁場としてまた船溜りとして利用されてきました。この内湖の存在が、今津浦が発展する要因の一つであり、中ノ川は中沼と琵琶湖を結ぶ水道の役割を果たしていました。河口の左岸には、明治33年(1900)に今津桟橋が建造され、大型蒸気船が着岸するようになりました。大正6年(1917)6月28日、第三高等学校水上部の琵琶湖周航のクルーとして、今津にやってきた小口太郎が、今津の宿に泊まり、部員達に周航中に作った詩を披露しました。このときメンバーの一人が当時寮ではやっていた「ひつじぐさ」の曲に詩が合うことに気づき、これに合わせて皆で合唱したことが琵琶湖周航の歌の誕生とされ、今津は、琵琶湖周航の歌発祥の地として知られています。
 今津桟橋跡 今津町今津 高島市 滋賀県