小野神社は、延長5年(927)完成の『延喜式』神明帳に「小野神社二座名神大」とあり、日吉神社と並ぶ官弊大社であった。現在の社殿は、江戸時代に再建されたと伝えられている。 祭神は、明治時代にできた『小野神社明細帳』によると、第五代天皇孝昭天皇の第一皇子、天足彦国押人命とその七世の孫、米餅搗大使主命である。 米餅搗大使主命は、応神天皇の頃に日本で最初に餅をついた餅作りの始祖といわれ、現在ではお菓子の神様として信仰を集めている。 この神社は、小野妹子・小野篁・小野道風などを生んだ古代の名族小野氏の氏神社である。推古天皇の代に小野妹子が先祖を祀って創建したと伝える。平安時代、小野篁(802〜852)のときに、同族が小野神社に集まって氏神を祀ったことは、『続日本後紀』にくわしく戴っている。
 小野神社 小野 大津市