安国寺は暦応2年(1339)、足利尊氏が古代の国分寺にならって全国に安国寺を建立した際、下野国は薬師寺が存在するところから安国寺を建てることなく、そのまま安国寺と寺名改称したと伝えられている。 当時はまだ下野薬師寺の伽藍配置が姿を留めていたと考えられるが、元亀元年(1570)に北条氏政の兵火によりその大半が焼失したと伝えられている。 現在は、真言宗の寺院で薬師如来を本尊とする。その境内は、7世紀後半に創建された日本三戒壇の一つとして知られる史跡下野薬師寺跡の中枢部に位置しており、白鳳文化の香りを現在に伝えている。  現在の本堂は明治38年に再建されたもので、近世以前の建物は六角堂と山門の一部を残すのみである。 平成8年3月 下野市教育委員会
安国寺山門 薬師寺 下野市 栃木県