安国寺の六角堂は、かつての下野薬師寺戒壇跡と伝えられる所に建てられています。江戸時代には、釈迦堂と呼ばれ、その姿は、分化2年(1805)に刊行された『木曾路名所図絵』によっても確認できます。 現存する建物は、近年に修繕された部分も少なくありませんが、部分的に江戸時代後期の様式をとどめています。また、その名の通り建物の形、さらに屋根・外回りの柱・礎石までが正六角形造りの県内でも珍しい仏堂です。現在では、下野薬師寺跡のシンボル的な存在にもなっています。 内部中央には、鑑真和上の画像を収めた厨子が安置されており、両脇には、木造の不動明王像・韋駄天像などが祀られています。 平成7年10月  下野市教育委員会
六角堂 薬師寺 下野市 栃木県