この礎石は民家の人が東塔跡付近から掘り出されたものと言われており、どの堂塔の礎石か明らかではありません。礎石面の中心にみられる円形状の穴は、ほぞ穴で柱根に出ほぞを造り、ここにはめ込んであったものと推定されます。凝灰石製とみられるこの形式の礎石は、白鳳時代に盛行したものと言われています。 隆盛期の下野薬師寺の壮大な伽藍も現今ではおずかに礎石と古瓦などが残っているだけで、往時を再現する手がかりとして貴重な資料の一つにもなっています。  昭和61年9月 下野市教育委員会
下野薬師寺伽藍礎石 薬師寺 下野市 栃木県