「からたちの花」「砂山」などの作詞で親しまれている詩人、北原白秋(明治18年〜昭和17年)は大正5年の夏から約1年間、当時小岩にあったこの離れにおいてすぐれた作品の創作を続けた。白秋自身、紫烟草舎と名づけたこの建物はその後、江戸川の改修工事のためにとりこわされ、解体されたままになっていた。たまたま、本建物の所有者、本市在住の、湯浅伝之丞氏の厚意ある提供を受けた市川市は白秋をしのぶようすとして、家の間どり、木材などすべて当時のままに、ここ里見の地に復元した。復元の地をここにもとめたのは小岩に移り住む前白秋が真野の亀井院に住んでいたこと、小岩に移ってからも対岸の江戸川提から眺めるこの里見の風景や万葉の昔よりゆかりの深い葛飾の野をこよなく愛していたことによる。  市川市  市川観光協会
紫烟草舎 里見公園 国府台3丁目 市川市